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はじめに
音楽制作においてEQ(イコライザー)は必須のツール。その中でも近年注目を集めているのが Kirchhoff-EQ です。筆者はこのプラグインを2年間、日々のミキシング・マスタリング業務に導入してきました。本記事ではエンジニア目線で感じた使い勝手や音質、他のEQとの違いを徹底的にレビューします。
Kirchhoff-EQとは?
Three Body Techとは
中国・北京を拠点とするThree Body Techは、物理モデルベースのオーディオプラグイン開発に特化した比較的新しいデベロッパーです。Kirchhoff-EQは彼らの代表作であり、その高精度なDSP技術と革新的な機能が世界中のプロの間で高く評価されています。
特徴一覧
- 32バンドまで対応可能なパラメトリックEQ
- 117種類のフィルタータイプ(アナログモデリング多数)
- ダイナミックEQ機能搭載
- ゼロレイテンシー/リニアフェーズ対応
- M/S処理、マルチチャンネル対応

実際に2年間使って感じたメリット
1. 圧倒的な音質と解像度
高帯域の伸びやローミッドの明瞭さは他のEQとは一線を画します。特にアナログモデリングフィルターを選んだときの質感は、まさに”実機感”があるサウンドです。

2. GUIが優秀
視認性・操作性ともに優れており、ブラインドでもある程度直感的に操作できます。細かい調整をしているときでもストレスがないのが魅力です。
3. ダイナミックEQの使いやすさ
特定帯域のピークを柔軟に制御でき、De-esserやドラムバストラックでの処理にも非常に重宝します。

4. プリセットが実用的
初期プリセットも洗練されており、特にアコースティック楽器やボーカル向けの設定は即戦力になります。
5. M/S処理やマルチバンドの柔軟性
ボーカルやリバーブ処理時のMid/Side調整が非常に楽。ミックスの奥行きと立体感が簡単に作れます。
他のEQプラグインとの比較
| 機能 | Kirchhoff-EQ | FabFilter Pro-Q 3 | SSL Native X-EQ 2 |
|---|---|---|---|
| 最大バンド数 | 32 | 24 | 24 |
| ダイナミックEQ | ✓ | ✓ | ✓ |
| フィルター種類数 | 117 | 約6種 | 約9種 |
| アナログモデリング | ✓ | ✗ | ✓ |
| リニアフェーズ | ✓ | ✓ | ✓ |
こんな人におすすめ
- 多機能かつ高音質なEQを探している方
- アナログモデリングに興味があるがハードは買えない人
- ダイナミックEQを積極的に使いたいエンジニア
- 音楽ジャンルを問わず汎用的に使えるEQが欲しい方

気になるポイント(デメリット)
- 日本語ローカライズがない(2025年5月現在)
- 初心者にはやや多機能すぎるかもしれない
- CPU負荷はやや高め(設定により軽減可能)
まとめ
Kirchhoff-EQは「もうこれ1台でいい」と思わせるほど高機能・高音質なEQプラグインです。音のキャラクターもクリーンからアナログライクまで対応でき、ミキシング/マスタリングの両方で活躍してくれます。今後のアップデートにも期待が持てる、まさに“今買うべきEQ”の一つです。
あなたのEQ選びの参考になれば幸いです。






